人目もはばからず

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最近流行りの逆ナン

『ねぇ 聞いてる?』

「はぃ?」

『前から思ってたんだけどさ。自分が暇だからといって相手も暇だろう、なんて感じで気安く思うんじゃないわよ』

「え?」

『思ってるでしょ。わかるわよ』

「…」

『あ、違うねごめん。訂正する。そんなことを、相手の都合とか想像したこともなかったでしょ?』

「…そぅ…かな…(なんなんだょ、初っ端から機嫌悪すぎでしょ…)」

『何かないの?アナタ。ワタシに言われっぱなしでいいの?それって男としてどうなの?』

「いや…いきなりそんなこと言われても…(勘弁してくれよ)」

『いきなり?そんなこと?アナタ知らないの?』

「…なにがですか?(意味がさっぱりわかりませんけど?)」

『…最近の女子はちょっといいなって思った男に喧嘩をうるところから、その逆ナンははじまるの』

「…そうなんですか…なんのために…」

『あー…そんなこともわかんないの?やっぱアナタとは合いそうにないわ』

「…初対面ですよね?まだ今、この駅を出たところで会ったところですよね」

『だからよ…アンタめんどくさ…関係を続けていたらいずれ喧嘩するでしょ?その時のシュミレーションからアンタという男を判断するわけ…』

「…それ、失礼ですよ。傷つきましたもん」

『はぁ?…弱っ。なんなのその打たれ弱さアピール。お母さんのお腹の中からそんなものしか持って出られなかったの?お母さんにあやまりなさいよ…みっともない。しかも初対面の女子にむかってナヨナヨしてキモいんだけど…』

「…」

『なんなの、何も言えないの?…え、もしかして怒られてちょっとエクスタシー感じちゃってる系とか?変態だわ。うわっ、いま鳥肌たった…まぁ男ってみんな変態なんだろうけど』

「…(これは…今日という日、トラウマ以外のなにものでもない…)」

『じゃぁもう二度とワタシの前に顔を見せないでね お元気で(スタスタ…)』

「…(さりげなく観衆の奴ら視線そらして去っていきやがってよ…)」

『(タッタッタッ…)ちょっとアンタ、最後くらいなんか言いなさいよ!』

「…(戻ってくんなよ しかも観衆を引き連れて)あ、お元気で…また…」

『またはないっつってんだろ!? 不愉快な男だわ あんたいっかい〇んだらいいんじゃない?(ツカツカ…)』

「…(ぼーぜんと立ちすくむ。このオレの姿…だれか消してくれ…これ…駅のホームだったら線路に立ち入ってしまういきおいだわ…なんか涙でてきたもん…)」

 

 

 

トラウマ類語辞典

トラウマ類語辞典

  • 作者: アンジェラ・アッカーマン,ベッカ・パグリッシ,小山健,新田享子
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